国師峰の石の小山
国師峰の石の小山
Introduce sultural sightseeing of Boeun.
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報恩郡懐南面金谷里の裏山で、懐北面との境界にある高さ552mの高い山が国師峰である。この山は風水地理説によると山の頂上付近は大変風水のよい場所だという。昔、このような風水のいい場所に墓を作ると子孫が大きく繁栄し、尊くなるといわれたが、その山に墓を作ると日照りになり、その日照りは墓を掘って雨ごいの儀式をしなければ雨が降らないという、いわば二律背反的な話が伝えられている山である。家の繁栄と富貴を求めてこの山に先祖の墓を作ろうとする人と日照りを防ごうとする人との間で紛争が何度も起こっている山でもある。
ところで、この山の頂上にはなぜか大きな石の山が積まれている。そしてこの石の山をめぐっては次のような話が伝わっている。昔、高麗の時代に現在の懐南面金谷里から遠く離れたこの地の一軒家に、ある未亡人が二人の子供と一緒に住んでいたという。ところでその子たちはとても勇猛で機敏だった。それだけでなく、二人の力がどれほど強かったことか。夫を早く亡くした未亡人ではあったが、二人の兄妹を見るだけで、自然に口元がほころんでしまうのだった。ところでこの未亡人には一つ悩みがあった。夜ごと、この山の神霊が現れては兄妹のうちの一人を殺さなければならないと言って消えていくのだった。ある日の夕方のことだった。その日もまた神霊が現れた。
神霊は大変憤っており、大きな怒号で怒り始めた。「兄弟がとても非凡で、二人のうち一人が死ななければ天の気を収めることができなくなる。これ以上躊躇しては天の怒りが大きくなる」というのだ。未亡人はそれ以上躊躇できなかった。それで二人を座らせ、難しい賭けをさせた。賭けで負けた方が犠牲にならなければならないと伝えた。未亡人は息子に、木靴を履いてロバをひき、一日でソウルに行って帰ってくるように、娘には、エプロンで石を集めて運び10里離れた昧谷山に城を築くようにと言った。さて、娘はあと一度だけエプロンで石を運べば城を建て終えることができるところまで完成したが息子の影は見えず、賭けで息子が負けるのは目に見えていた。やはり息子をより貴重に思うのが韓国の母親たちの考え方で、未亡人は娘を犠牲にすることを決心した。そして未亡人は娘にわからないように娘のエプロンを破っておいた。娘は自分よりもっと大きな石を集めて城を築こうと、手のひらに血が流れ体は疲労困憊したが、それでも兄に負けまいと必死に石を拾ってエプロンに集めた。そして昧谷山に向かって行こうとすると石がごろごろとこぼれ落ちた。
母がエプロンを破っておいたことを知らない娘は、落ちた石を拾ってはエプロンに集めて歩き、また拾っては歩きということを繰り返していたが、そうしているうちに息子が戻り、賭けに負けた娘は死んでしまったというものだ。現在この山頂にある石の山は、まさにその時に娘が落とした石の山だという。そして娘が積もうとして完成できなかった城が懐北面中央里の前山にある峨嵋山城だといわれている。